ビリングシステム社の成長バロメーターの一つに「預り金」があります。
この預り金は主にPayB事業に関連し、利用者がPayBを使ってお金を支払うと一度ビリング社の特定の口座にプールされ、ビリング社がそれぞれの企業や団体にしかるべきタイミングでお金を振り込むため、一時的に預かっている形となります。
つまり、「預り金の増加」=「取扱高の増加&手数料増加」ということになります。
私がビリングシステムに注目したのは、四季報で著しく自己資本比率が下がっており、その根拠をB/Sで調べたら、預り金の増加が起因していることが分かりました(預かっているお金だから負債計上)。
現在は自己資本比率は10%台をうろうろしていますが、大部分がいずれ契約先(電力代や携帯、納税資金)に振り込むための預り金のため、差し引くと、同社は無借金経営になります。
※同社の売上は「月額固定売上×取引者数+単価×処理件数」となっており、預り金の増加は処理件数の増加につながります。
預り金推移
過去数年分の預り金を表とグラフにしました。預り金の増加は同社の成長バロメーターでもあるため、投資判断の一つとしておいても悪くないと思います。
3つのグラフはどれも預り金推移で同じものですが、過去数年分を同じ色で並べたり、四半期ごとに比較できたり、年ごとに纏めたりして、その伸びを様々な角度で確認できるようにしました。
2Qに著しく伸びる預り金
四半期ごとの比較表で見ると2020年(黄色)から急に2Qの預り金が伸びるようになりました。これはおそらく2019年~2020年中に契約した先の預り金と思われます。
預り金の決済先割合が公表されていたので調べたところ公共料金、税金・公金の占める割合が高いことが分かりました。
2Qの6月末までに支払うものと言えば、住民税や自動車税なのでおそらくそれらの税金関係と思います。
2021年2Qは170億円超の預り金でしたので2022年は200億円~250億円超えてると良いですね。
ただ、預り金の中から数十円~数百円を頂くのが同社の事業のため、預り金が倍になったからといって業績が倍になるわけでもありませんので、期待しすぎないでください。
PayB事業は同社の中でも成長の核となっていますが、全体売上の15%程度です(徐々にそのシェアが大きくなっては来ている)。
あくまで預かってから取引先に振り込むまでの猶予があり、プールされてるだけの資金であるということも忘れないようにしたいところですね。
2021年10月の初期投資300万円。11月より毎月30万円を入金し、1,000万円になったところでストップ。グロース株中心に中長期投資を行いキャピタルゲインを狙います。