銘柄探索

【銘柄探索】3623ビリングシステム

【銘柄探索】3623ビリングシステム

2021年10月26日現在、ビリングシステムに資金の9割を投下しています。保有株数で2,000株。中長期目的の保有です。投資理由の前に簡単にビリング社の現在地について纏めます。

ビリングシステム基本情報

【株探】https://kabutan.jp/stock/?code=3623
【時価総額】84.2億円
【発行株数】6,564,400株
【浮動株数】約2,360,000株(四季報の浮動株比率より概算にて)
【浮動株比率】36.1%(四季報より)

【総資産】198.36億円
【純資産】20.94億円
【自己資本比率】10.1%

【PER】45.7倍
【PBR】4.07倍
【配当利回り】0.68%

ざっと表面的な数値だけ見ると、割高感はあるのと、自己資本比率が気になりますね。本銘柄はその点についてイレギュラーな要素があるため後ほど解説します。

ビリングシステムのチャート

直近では8月18日に952円の底値を付けてから、上昇傾向となっております。下落していた時よりも上昇傾向になってから出来高は増えており、ジワリと人気が出てきているのかもしれません。

弊社の取得単価は1,280円で、わりと最近なのでまだ恩恵はありません。

同銘柄に投資する理由

ビリングシステム株を保有する理由は「第1Q→第2Qで預り金が著しく増加していたから」です。

2021年第一四半期決算短信 負債の部
2021年第二四半期決算短信 負債の部

2021年第一四半期の負債を見ると「88.5億円」となっておりますが、2021年第二四半期を見ると「174.5億円」と86億円も預り金が増加しています。

同社のビジネスモデルは主に収納代行・決済代行・代金回収などであり、クライアントの決済業務負担を軽減するのが主なソリューションです。

つまり、この預り金が流動負債に計上されているのは1年以内にクライアントに対していずれ振り込むお金であることが読み取れます。

2020年12月期の預り金を見ると76億円、2019年12月期の預り金は調べてみたところ56.9億円でした。

わずか数ヵ月で著しく預り金が増加したことがバランスシートから読み取れます。

四季報で疑問に感じた自己資本比率

ビリング社は数年ぶりに見た四季報で見つけました。もちろん以前から知ってた銘柄で、言い方を変えると久方ぶりに見て変化に気づいたというのが本当のところです。

2021年4集の四季報にはビリング社の自己資本比率は10.1%となっています。最初は財務健全性を疑ったところから調査がスタートしました。

上記でも触れているようにビリング社の自己資本比率が10%台なのは、流動負債に計上している預り金が急激に増加したからです。この預り金には金利等は発生せず、クライアントに振り込む現金であるため投資するうえで財務健全性を危惧する必要はありません。

ちなみに2017年12月期の自己資本比率が27%、2018年12月期が31.3%、2019年12月期で23.7%でした。

ビリング社の場合「ROA」は無視しよう

今後、取引先の拡大とともに預り金が増加すると総資産も膨らむため、預り金の中から処理件数に応じて手数料を頂くビジネスモデルの同社株においてROAは著しく低くならざるを得ません。

現に四季報には1.4%と記載があります。どうしてもROAを算出したいならば預り金を引いて計算するのがよいかもしれません。

「預り金の増加=決済件数の増加」 つまり収益アップの起点は預り金から

預り金の増加が意味するところは、ビリングシステム社のシステムを利用した決済が増えていることにつきます。

同社のサービスに「PayB(ペイビー)」と言われるものがあり、ペイビーアプリやペイビーのシステムが搭載されたアプリ(りそな銀行やマネータップなど)でスマホで公共料金の払込票記載のバーコードを読み取れば、自宅でもどこでも支払いができるようになります。

決済補足資料や短信などを読むと、上記の事業がどうやら伸びており預り金が増加しているようです。

執筆時点ではコロナ感染者数も減っては来ていますが、外ではまだマスクは欠かせませんし、徐々に外出する機会が増えてきているとはいえ、極力外出は控えたい中で、ようやく同社サービスが広がってきたのかもしれません。

PayB

PayB

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Money Tap-マネータップ

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りそなグループアプリ

りそなグループアプリ

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自社アプリのPayBもありますが、こうした個別の銀行アプリや銀行や証券会社の出資で作られた「マネータップアプリ」にもペイビーのシステムが搭載されることで、ビリングシステム社のサービスが大々的に表には出てきませんが、アプリの裏方として働くことで自然と決済件数と収益の機会が増えているというのが預り金増加の要因ではないでしょうか。

ビリングシステムの売上構造

同社の売上構造の中でも特に高く評価したい収益が「定常売上」と呼ぶもので、同社売上の約80%を占めます。

  • 定常売上=月額固定売上+単価×処理件数

定常売上(半期)を昨対比で比較すると11.6%増となっております。

今期2Qで預り金が急増しているのに、昨対で見ると売上の伸びがゆるやかなのが気になるところですが、もしかすると売上計上は預り金をクライアント先に振り込んだタイミングで相殺したときに発生させているのかもしれません(発生主義だから預かったタイミングで売上計上とも思えますが違うのだろうか?)

この辺りについては私も会計知識がないため、預り金の増加率と売上の伸びを確認しながら売上計上のタイミングを推測していきたいところです。(どなたか教えてください💦)

利用できる支払先

ペイビーサイトの支払い可能先は本日時点で一般企業8001社、地方公共団体1,111団体とあります。徐々に利用可能な支払先は増えており、特に税金関係(固定資産税や自動車税など)は、支払額も大きいためコンビニでお金をおろして払うよりは、安全かつ楽に行えます。

ご利用可能請求書ページ

利用できる銀行

利用できる銀行を調べたところ銀行・信用金庫で約40社ほどありました。

銀行の数は財務省サイトでざっくりと調べることができ、証券会社を除くと金融機関は850以上あるようです。全部の銀行と提携する必要はないと思いますが、現在の提携金融機関数では少なさを感じます。もう少し地銀系が増えると利便性は高まりそうですね。

現在の提携金融機関

まとめ

10月に投資スタートして、速攻でビリングシステム社に資金の9割を投じてしまいましたが、預り金の増加は企業の未来を明るくする具体的な材料と感じており、そのぐらい資金を投下する価値があると個人的には評価しました。

四季報にはSMS利用の決済サービスもスタートと書かれており、ソリューションの幅も広がっているようです。

まずは今年1年、ビリング社と付き合ってみたいと思います。

ABOUT ME
投資くん
2021年10月の初期投資300万円。11月より毎月30万円を入金し、1,000万円になったところでストップ。グロース株中心に中長期投資を行いキャピタルゲインを狙います。