3623ビリングシステムの理論株価を独自式で計算してみたいと思います。
独自式で行う理由は、ビリングシステム社は収納代行事業を展開している関係で、バランスシートの負債の部に多額の預り金が存在しているからです。※2022年2Qで220億円の預り金。
そのため自己資本比率やROAが著しく低くなってしまうのですが、預り金は有利子負債ではないため、預り金を含めて自己資本比率やROAを計算してしまうと、本来の事業収益性や安全性を計ることができません。
はっしゃん氏の「理論株価」を算出する際もROAなどが式に含まれているため、はっしゃん式の理論株価ですと273円となってしまい、8月18日終値の915円と比較すると、超割高株のように見えてしまいます。
273円だと時価総額は17億円となり現実的ではないような気がします。
預り金がROAを押し下げているため、除いた形で補正型の理論株価を計算したいと思います。
資産価値
①純資産 | 2,189,211,000 |
②発行株数(自己株除く) | 6,289,400 |
③BPS(①÷②) | 348 |
④割引評価率 | 80% |
⑤資産価値(③×④) | 278 |
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資産価値は「BPS×割引評価率」にて計算できます。
自己株を除き資産価値を計算したところ278円となりました。
事業価値
⑥当期純利益(会社予想) | 239,000,000 |
⑦EPS(⑥÷②) | 38.00 |
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⑧総資産 | 24,813,623,000 |
⑨預り金 | 22,081,729,000 |
➉預り金除く総資産(⑧-⑨) | 2,731,894,000 |
⑪ROA(⑥÷➉) | 8.75% |
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⑫自己資本比率(①÷⑧) | 8.8% |
⑬自己資本比率(預り金除く)(①÷➉) | 80.1% |
⑭財務レバレッジ補正 | 1 |
⑮事業価値 | 498.67 |
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事業価値は「EPS×ROA×150×財務レバレッジ補正」で求めることができます。
預り金を除き計算したところ事業価値は498円となりました。
理論株価と上限株価
理論株価=(資産価値+事業価値)-市場リスク
上記で求めることができ、同社株はPBRが約3倍あるため市場評価ゼロ。
理論株価=278円+498円=776円
上限株価=資産価値+(事業価値×2)で算出できますので、
上限株価=278円+(498円×2)=1,274円
理論株価 | 776円 |
上限株価 | 1,274円 |
8/18終値 | 915円 |
8月18日終値915円で比較すると、273円ほどではないですが、理論株価より高い状態であることが分かり、上限株価内で株価は推移していることが分かりました。
2Qまでの決算でみると営業利益の進捗率は61.7%。上方修正の可能性もあると考えると理論株価の上で推移していることは割高すぎるわけでもないかもしれません。
営業利益が修正される可能性も含めて、理論株価を計算して遊んでみたいと思います。
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2021年10月の初期投資300万円。11月より毎月30万円を入金し、1,000万円になったところでストップ。グロース株中心に中長期投資を行いキャピタルゲインを狙います。